(株) AMT一級建築士事務所 代表取締役 都甲 栄充 のミッション
「 構造スリット 」は、最近の新築工事において、コンクリート打設前には正しく設置されていることが多くなりました。
「構造スリットの不具合」という隠れた重大な瑕疵は、コンクリート打設中に、スリット材両サイドの柱・壁のコンクリート側圧の差や、バイブレーターの使用による側圧の増大により発生します。
しかし、コンクリート打設後のスリット設置状況は目視検査(コンクリートの中は見えない)のみで、正確な検査は全く実施されていません。
ですから、現在から約25年前まで建設されたマンション(タワーマンション、鉄骨造、PC工法、壁式コンクリート造は除く)は、ほとんどのマンションにおいて、構造スリットの不具合は発生している、といっても過言ではない、と考えています 。
ここで大切なことは、新築工事中のコンクリート打設時に不具合が発生してしまうと、その不具合の状態のまま、ずっと現在まで、コンクリート中で固まったままの状態で、構造スリットが存在していることにあります。
ゆえに、今現在でも構造スリット不具合はいつでも検査することが可能です。
しかも、不幸にして不具合が発見されても補修することはできます。
特にスリット材が構造耐力上重要な柱に倒れこみ、鉄筋に接触している『柱断面欠損(柱の断面がスリット材により欠損、しかも鉄筋のコンクリートかぶりが不足)』状態は、そもそも構造設計の前提条件が成立しないほどの、隠れた重大な瑕疵であり、絶対に補修すべき瑕疵と考えています。つづく・・